いじめ加害者と自分は同じであることの証明

課題:自分がいじめ加害者集団と同じように、いじめ事件後の対応をしてしまうだろうということの裏付け。
着眼:ブログ巡りでいじめ被害者側の意見が多いこと。自分が加害者側だった・になると思っている人がほとんどいないことに対する皮肉。
結論:誰もが誰よりも自分と自分の身内が大事というわかりきった例の多さ。私もきっとそう。
疑問:いじめ被害者側が教育・地域的に擁護された事件の背景はどこか?それと同じ対応を取るべきなのか?

感想
:極めて反社会的な課題ですが、実際にいじめが身近で起これば、絶対多数の人がこうなるであろう例。
:いじめ事件の事後対応を考えるのなら、地域と教育の善意に頼るのは辞めた方が良い。
:当事者になった場合、自分の便益を捨てられる人間なんてめったにいない。
:関係者に限れば、いじめ被害者側よりいじめ加害者側の人数が多いということ。当然です。
:逆に今虐められている人が頼るべきは親と第三者機関しかない。学校や地域を信用するのは危険である。
:担任一人はこちらを向いてくれる場合もあるが、担任の同僚・上司は加害者側へとつくからである。
:地域も学区の学校の信頼(進学問題)に関わるので加害者側につく場合が多い。
過程↓


2000年以後のいじめ自殺事件を調べ、
加害者・教育機関・司法の対応を見てみる。
(ただし、昔の対応の方が酷いのです。それはそれとして考える)


世界子ども通信「プラッサ」>日本の子どもたち>子どもに関する事件・事故 1
より引用・要約。ただし、この情報は被害者側の立場から書かれた文である。

2000/07/26埼玉県川口市立中学校の大野悟くん

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川口署の調べでは34人が、悟くんへのいじめに加担。うち9人を常習と認定した。
謝罪にきた9名以外の25人は謝りにも来ない。

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遺族が、もう少し話を聞きたいと加害者宅を訪れると、
「まだ片づいていないのか。いい加減にしてくれ」「勝手に裁判でも何でも起こせ」
と言われる。

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その後 「HELP」の会ができる。

同級生たちが焼香にきてくれる。

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加害者の親からの手紙
2000年8月、9月、10月と3回、脅迫じみた匿名の手紙が被害者宅に届く。
宛名や自筆部分の筆跡から問いつめた結果、母親が出したことを認める。
手紙の本文は、ワープロで横書き、縦書き、と書式を変えていた。
「マスコミに出て芸能人気取りですか」「自殺の原因は家庭内にあった」などと書いていた。
また、マスコミにも同様の手紙を送りつける、悟くんのきょうだいにも害が及ぶなどと脅迫めいた内容が書かれていた。

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2001/5 手紙を送った母親に謝罪を求める手紙を送ったが謝罪がないため提訴に。

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廣田民生裁判長は、「いじめは、生徒間の悪ふざけにとどまるもので、自殺との因果関係は認められない」とした。

2000/10/11福岡県北九州市小倉南区の中学校の男子生徒

Aくんの両親が、加害少年ら9人と保護者を相手に、慰謝料など計約9352万円の損害賠償を求めて提訴。

2000/10/13千葉県市原市の市立有秋中学校の女子生徒

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警察の対応 教師や生徒たちに事情聴取を行う。

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学校・ほかの対応
学校側は6月の自殺未遂について、
「手首にけがをしたと聞いており、自殺未遂とは知らなかった」と釈明。いじめの具体的内容を市教委に報告をしていなかった。
同市学校教育課には、女子生徒に対するいじめが「昨年(1999)の2学期までに解消していた」と報告していた。
加害者 最低でも25人、本格的にいじめていたのは15人。繰り返しいじめていたのは男子生徒5人。(生徒たちの証言)

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10/16 学校で集会があった日の放課後、男子生徒20数人が集まって対策を立てていた。
主犯格の名前をバラした人間を探していた。
関 連 同中学から同市学校教育課に報告されたいじめの件数が、女子生徒が入学した1998年度は25件、1999年度が13件発生していた。
過去2年間で38件に上る。
調 査 東京新聞の取材に対し、ある同級生は、「繰り返していじめる子は4、5人いた。今年になってからも、女子生徒へのいじめはあった」と証言。

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裁 判 2001/10/ 両親が、自殺したのは学校での男子生徒のいじめが原因として、
市原市や男子生徒などに総額約4400万円の損害賠償を求めて提訴。

市に対して、教師がいじめの事実を把握し、生徒らに適切に注意していれば、自殺を防ぐことができたはずと主張。
また、両親がいじめの実態を報告するよう求めても、学校側は十分な調査すらしていないとし、
市が調査・報告義務に違反しているとした。
裁判結果 2005/12/26 千葉地裁で和解(予定)

市川市と千葉県がそれぞれ150万円を、男子生徒5人が計300万円の総額600万円を支払い、
「市は、いじめ問題があったことを認めて謝罪し、再発防止を徹底する」の内容を和解条項に盛り込むことで合意。

2002/12/21京都府京都市内のスイミングスクールに通っていた伏見区のRくん

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2002/12/21 Rくんの自殺を知ったAは、「Rのこと悲しいな。俺のせいかな」と友人にメールを送っていた。

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加害者の親の対応 Aの保護者に対して、いじめを受けた生徒の保護者が複数、水球のボールをぶつけられた、殴られた、蹴られたなどの具体的な内容を伝え、いじめをやめさせるよう要請していたが、Aの母親は「うちの子はやっていないと言っている」と答えるのみで、何も対応をしなかった。

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被害者の親の対応 両親はRくんがいじめられていることを知らなかった。警察やスクール生徒の保護者から知らされて初めていじめがあったことを知る。

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事件後のスクールの対応
2002/12/21-28 強化練習中に、コーチらは水球コースの生徒らから事情を聴いた。
その後、生徒らの前でAに対して「お前が悪い」と言ったという。
2003/1/7 Rくんの両親がスクールに出向き、「真実を教えてください」と申し入れたが、
「聴いてません」「うちにも伝統がありまして」と言うだけで、真摯に答えようとはしなかった。
1/13 同スクール中学部の保護者説明会で、「そういうじゃれあいがあったらしい」と説明しただけだった。
スクールからは今だ謝罪も、電話も、焼香もない。

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裁 判 2003/12/22 Rくんの両親が、生徒の両親とスイミングスクール、コーチらを相手に約8000万円の損害賠償を求めて、京都地裁に提訴。(2004/7/現在係争中)

2003/03/31岩手県一戸町の中学校の女子生徒Aさん

学校の対応 学校はホームルームや部活などで、生徒にいじめの有無について聞いたが、証言する生徒がいなかったために、「うわさはあったが、いじめはなかった」と結論付け、PTAに説明。
両親の求めに応じて、再調査を始めた。
親の調査 両親は同級生や保護者から、「2、3人から無視されていた」「『死ね』と書いた手紙を受け取ったらしい」などの話を聞いた。
死後、同級生が訪れて両親に、「2、3人がいつも彼女を相手にせず、無視していた」と話した。

2003/05/05愛知県名古屋市の市立北陵中学校の柴田祐美子さん

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5/21 A子の父親が、教頭、教務主任、担任とともに、柴田家を訪れ、「非常に驚いている。うちの娘の数少ない友だちで私自身も混乱している状態です。うちの子はとくに混乱している」と話した。
一方で遺族は、学校帰りのA子が仲間とともに柴田家の前をゲラゲラ笑いながら通る姿を目撃。

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学校の対応
学校側は当初、「柴田家の意向を優先して話を進める」と約束したが、何の情報提供もない。
学校が生徒らに何も知らせないなかで、調査に協力してくれていた祐美子さんの友人らが周囲から疑いの目で見られる。

学校側は、「友人関係の感情のもつれ、行き違いがあったものの、一方的に身体的、心理的な攻撃を継続的加えるといったいじめといわれる問題行動は認められませんでした」として、いじめを否定。
記者会見でもいじめを否定する。

5/27 PTA役員集会(約50名参加)。
校長、教頭が今回の事件の説明文書で持ってくると約束していたが、口頭で説明。遺族が集会に同席させてもらうよう頼むが、学校側は拒否。校長がPTA主催だと言ったため、PTAの許可をとって、同席する。PTA集会で校長は、今後の生徒に対する取組みばかりを説明。事件についての言及を避ける。

5/31 校長、教頭、教務主任が調査の中間報告書を持参。祐美子さんの行動に関する内容のみ書かれていた。

6/4 PTA全校集会に遺族も同席。校長からの事件についての説明は進展なし。両親が、これまでの学校の対応の悪さと、真相究明の協力を要望。
集会にA子の両親が「校長先生から5月16日に、遺書に名前があることを聞かされた。どういった内容の遺書があったかというのは納得していない。私の娘は親友だと思っている。学校で確認作業がきちっとされ私の子どもがいじめをしていたということならお詫びする。校長が柴田さんが娘を連れてきてほしいと言っている返事につきましては、正直言って事実がまったくわからない状態。5月21日に私は柴田さんの家で教頭、教務主任、担任とともに伺わせてもらったときに再度、遺書の存在と名前があることまでしか知らされておりません。私の子どもがいじめを行った根拠を、さまざまな証言を確認させて頂きたいのは当然。自分の娘に遺書に名前があることを伝えたのは5月25日。ただ皆さんに私の子どもの心情をご理解していただきたい。」と話した。
遺族は「理解できない」と反発。

6/7 校長、教頭、教務主任が、3年4組と陸上部の生徒を対象にした聞き取りしたという調査報告書を持参。中間報告書(5/31付け)に会話がはいった内容で、「いじめ」ではなく感情のもつれとあった。
教師や遺族に生徒たちが話した内容や、担任が本人から聞いたという内容が入っていなかった。
この内容を立証するため、聴き取りした生徒たちにアンケートを実施して欲しいと要望するが、これ以上のことはできないと言われる。
また、この席で校長は「ようするに祐美子さんはしゃべれないでしょ」と発言。

6/14 A子と両親、担任、校長、教頭、教務主任、PTA3人の計10名が柴田家を訪問。
A子が話した内容は学校の報告書そのままだった。祐美子さんとの関係については、「親友でした。一番仲のよい友だちだと思ってました」と話し、いじめを否定。

2005/04/13山口県下関市の市立川中中学校女子生徒A子さん
被害者の親の認知と対応
A子さんの母親は、2年生のときに少なくとも4回、担任に「いじめられているから注意してほしい」と相談をしたという。

母親は「いじめられたらそのままじゃいかん。強くならなきゃ」と教えていた。

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事件後の被害者の親の調査・ほか 2005/4/25 両親が、市長と市教育長にあてて質問状を出す。
①市教委は相談の回数が少ないと相手にしないのか。
②「きもい」と言われたりけられたりすることは(重要性の低い)一般指導の範囲なのか。
③A子さんが部活中に姿を消してから首を吊った状態で発見されるまでの経緯。
④「いじめがあったとは聞いていない」という学校側の発言の真意。
など4項目。

7/27 市教委の「因果関係は不明」との見解に、再度、質問状を提出。

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6/13 校長や教育庁が、両親からの質問状に対する回答文書を携えA子さん宅を訪れた際、自殺を示唆するA子さんのメモを見せられた。
その様子を撮影していたテレビ局のインタビュアーに感想を求められた教育長は、「眼鏡がなくてよく見えなかった」と答えた。
放送を見た視聴者から、「うすら笑いを浮かべているように見えた」「両親の身になったらそんなことが言えるか」などと、抗議の電話が殺到。

2005/12/06長野県小県郡丸子町の県立丸子実業高校の高山裕太くん
加害者ほかの対応 裕太くんの生前、母親が同じ1年生部員のS宅に相談の電話をすると、父親から「ばかやろうー、家には二度と電話するな」と怒鳴られた。

裕太くんの葬儀のとき、母親がバレーボール部の1年生部員に、「裕太はみんなを信じていたんですよ。なんで無視したんですか」と問いかけたが、誰も答えなかった。
2年生部員のなかには、ニタニタ笑うものもいた。

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自殺後の学校・ほかの対応
12/7 学校長は記者会見で、「ものまねは6月の1回だけあった。ただのものまねで、いじめとは認識していない」と話した。バレーボール部の先輩部員が1年生部員をハンガーで殴ったことは認めたが、その後、きちんと対応しており、自殺との関連は考えられないとした。

Kをはじめ、1年生への暴行に加わった2年生部員に一切の処分はなく、レギュラーとして試合にも参加。

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PTAほかの対応
2/8 バレーボール部父母会が、記者会見を開く。
上級生部員が下級生をハンガーで叩いたことについて、
「いじめをどう定義するかによるが、いじめられた側がそう思うのであれば認めなければならない」としたが、
かすれ声の真似をしたことについては、「6月のインターハイ前日の激励会で食事後、3年生の緊張をほぐすために笑わせようと、
事前に高山くんを含めて1年3人、2年5人で事前に打ち合わせをしている。高山くんは積極的に参加して楽しんでおり、
自分からものまねの特徴を指摘していた。上級生とコンビを組み漫才をしていた。また、この1回だけであったがいじめではない」とした。
さらに、「母親から部活教員や生徒宅に暴言や誹謗中傷のファクスなどがあり、部活動にも影響が出た」とした。

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誹謗・中傷 母親のせいで子どもが自殺したと言われる。

裕太くんが母親のサイフから金を盗んだ。そのことを母親から直接聞いたとバレーボール部員の保護者が話す(事実なし)。

高山さん親子を支援していた今井議員に対して、バレーボール部員の父親から、「これ以上、高山さんにかかわると選挙に影響する」との電話が入る。

2006/1/ 匿名の年賀状が届く。
「何故子供が鬱病になったか考えなさい! この病気にかかると誰でも死にたくなる。
いじめのせいにしているけど、本当は母親の○○による情緒不安定! 何が「自分は○○○ちゃん」だ!
そういう異常な親に育てられたから現実逃避したくなったのでしょう。
今彼はやっと救われたのだから大げさに騒ぐのはやめなさい! 貴方の過去が世間に知れ渡ってますよ!」と書かれていた。

2006/08/17愛媛県今治市島しょ部の市立中学校の男子生徒さん(中1・12)

小学校の対応・ほか 小学校では4、5年の時にいじめに気づき、担任がグループに注意。
6年の時、Aくんが校内で泣いているのを担任に見つかる。Aくんは担任に、「いじめに立ち向かうように頑張る」と話していた。
小学校は、市教育委員会や中学校に、Aくんが言葉によるいじめを受けていたとの報告を上げていた。

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中学校の対応・ほか 自殺後の保護者会で、言葉によるいじめがあったことを他の生徒の親から聞いたという。

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アンケート 4月末に校内で実施した無記名の生徒アンケートで「いじめられている子がいる」との指摘があった。学校は生徒の動向に注意を払ったが、具体的ないじめの事実は把握できなかったという。